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第45回日本歯内療法学会学術大会

大会長挨拶

 第45回日本歯内療法学会学術大会
大会長 林 美加子
(大阪大学大学院歯学研究科 歯科保存学講座 教授)


 皆様、第45回日本歯内療法学会学術大会は、大阪大学が担当させていただくことになりました。本大会では、歯を守り、口の健康を守り、そして健康長寿に貢献することを念頭に、歯内療法の革新的な技術開発を促進し、これからの超高齢社会のありかたを展望する視点から、学会テーマを「歯内療法の革新と未来」としました。
 本大会の焦点の一つが、国際的に新たなコンセンサスが構築されつつある歯髄保護:Vital Pulp Treatment(VPT)です。このVPTについて、ヨーロッパ歯内療法学会のプレジデントであるHal Duncan教授をお迎えしてVPTの最新の考え方を示していただきます。Duncan先生には、IADR Pulp Biology and Regeneration Groupのプレジデントの立場からも、ご自身の基礎研究の成果に基づいて歯髄保護の将来を展望していただく予定です。
 一方、日本歯内療法学会と日本歯科保存学会が協働でまとめた「歯髄保護の診療ガイドライン」の紹介もかねて、象牙質−歯髄複合体の基礎から臨床応用まで、わが国の臨床でVPTをいかに浸透させるかについて、基礎研究から臨床を俯瞰しつつ議論を交わしたいと思います。
 また、人生100年時代の歯内療法という大きなビジョンのもとに、一般臨床医、歯内療法専門医、そして大学病院において、長期臨床症例にどの様に取り組まれ、何が明らかになっているかについて、歯内療法が社会に果たす役割も視野に入れた議論を広げていただく構想です。
 さらに倫理講習会では、大阪大学社会技術共創研究センター長の岸本充生教授をお招きして、ゲノムなど生命科学分野のみならずDXや生成系AIの出現によって、変化が加速するグローバル世界での倫理の根源的な考え方について、特に新規技術の社会実装における倫理の役割に焦点を当ててご教示いただく予定です。
 大阪は「食い倒れ」の街としても有名です。大いに学び、大いに食べて、真夏の関西を堪能していただきたく、教室員一同、心より皆様をお待ちしています。